起業家としての選択肢
時代は、副業ブームです。
以前は、起業といえば「一本でやってそれで成果を出す」のが正解のように言われていました。
それが、国が副業を推すようになって、「収入源は複数持つ」のが正解のようになってきました。
実際のところはどれが正解でもなく、起業家やフリーランスというあり方がしっくり来る人、自分を追い込んだ方が上手くいく人は、それ一本でやればいいし、金銭的な安心や安定が何より大切だと思う人は、リスクヘッジを優先させればいいのです。
ところが私の場合、一度はWebの制作&講師業でやっていこうと思って取り組み、それなりの成果も出せたものの、そこから「起業家として成功している自分」のイメージを持つことができませんでした。
当然、成果が続くわけもなく、だからと言って収入源確保のために、何か別の仕事を持つ、という選択肢も選ぶことができず、悩んでいました。
でも実は、選択肢はそれだけじゃなかったのです。
目的地はどこ?
前に向かって突き進めないとき。
それは、目的地がハッキリとしていないときです。
私にとって、「Webで困っている人のお手伝いをする」ということは、「自分のできること」と「マーケットのニーズ」の重なった部分ではあったのですが、真の目的地ではなかったんですよね。
心の底からやりたいと思うこと、本気で取り組めることって何なんだろう?と考えたとき、やっぱりそこにあったのは「ママ支援」でした。
そもそも私の起業は、「子育て中のママがリフレッシュしたり学びを深めたりできるところを作りたい」という想いから始まっています。
稼ぎたい、という気持ちどころか、起業しよう、という考えさえなかったのですが、長女が通っていた保育園に次女も通わせたい、そのためには開業届を出す必要がある、というところから、必然的に「起業」というワードがやって来て、その世界に足を踏み入れることになりました。
最初は無我夢中で「やりたいこと」をやっていたものの、その世界に入ってしまったが故、良くも悪くもさまざまな情報が入って来ました。
稼ぐことが唯一の正解であり成功であるかのように思ってしまったのが、「やっぱりWebの仕事をしたい」と思ったきっかけでした。
Webの仕事をして稼げるようになる、一見それが目的地になったのですが、本当の目的地ではなかったので、同じところをウロウロ。
もちろん、そちらへ方向転換したことで得たこともたくさんあるので、間違っていたとは思わないですが、回り道を終えて本線へ戻るときが来た、という感じでしょうか。
昨年、ママのためのコワーキングスペースを作るための補助金の申請書を、1週間で書き上げたエネルギーを考えると、やっぱり私の目的地はこれしかないんだと思います。
稼ぐことが目的じゃない
真の目的地がわかったものの、やっぱりまだそこに迷いが残っていました。
それは、「稼ぐことが正解であり成功である」という価値観が刷り込まれていたからです。
ママ支援をするにしても資金は必要だし、そのためには稼ぐしかない。
すぐにママ支援で稼ぐことは難しいだろうから、そのためにはWebの仕事もやり続け、そちらで結果を出さなければいけない。
でもこれまで、Webだけでやって来て思うような結果が出てなかったのに、並行して進めて稼げるようになることなんてできるのだろうか?
そんな風にしばらく堂々巡りをしていました。
でも、実は稼ぐことだけが正解じゃなかったのです。
答えはこの図式にあります。
ビジネスは、利益が目的で、その手段として事業があります。
だから、稼ぐことが成功、つまり目的達成な訳です。
ところがNPOの場合、目的は(社会の役に立つ)事業で、その(継続)手段として利益があります。
「事業が社会の役に立つこと」こそが達成したい目的であり、稼ぐことは続けていくための手段の一つという訳です。
この図を知ったとき、雷が落ちるような衝撃が走りました。
私のやりたいことはこちら(NPO)側なんだ、と。
全てが腑に落ちた瞬間でした。
これから
私のビジョンは、「無理なく楽しく自分らしく生きるママを増やす」です。
「母親はこうあるべき」という固定概念は、令和になってもまだまだ健在で、ママ自身もその意識に苦しんでいる人がたくさんいます。
もっと自由に、自分を大切にして、自分らしくいていいんだよ、と伝えたい。
ママであることを楽しんでほしい。
ママが自分らしく笑顔でいることで、子どももまた、自分らしく生きられます。
誰もが枠にとらわれず、個性を活かして活躍できる社会を作りたいのです。
そのためにまずは、ママであることを楽しんだり、逆にママが自分個人の楽しみを見つけたり、そうすることで子どもとの共依存を解消し、個を尊重した子育てができる、そんな風になってほしいと思っています。
そのためのお話し会や講座、ワークショップ等を開催し、「無理なく楽しく自分らしく生きるママ」のコミュニティを作っていく、そういった事業展開を考えています。
いつでも投げ銭大歓迎♬