ぶんフェス振り返り

ぶんフェス振り返り

2025年3月23日(日)に開催した『ぶんフェス(京田辺市民文化フェスティバル)』では、私が共同実行委員長の1人を務めました。

その振り返りをここにまとめておこうと思います。長いので、興味のある方のみどうぞ。

もくじ

前回のぶんフェスについて

『ぶんフェス(京田辺市民文化フェスティバル)』は、「市民文化祭」と「産業祭」を融合させた新たなイベント「京田辺市民まつり(たなフェス)」のスタートに伴い、2023年2月26日に第1回目が京田辺市立中央公民館にて開催されました。

そして、第2回目の開催にあたって、もっと親子連れが楽しめる体験型イベントにしたいということで、市から運営委託を受けている京田辺市文化協会より「京田辺らくらく子育てネットワーク」に声がかかり、私も有志の1人として実行委員になりました。

内容としては、ママパパが癒されるものや子どもが楽しめるもの、というテーマで、大人&子どものマルシェを中心に、ワークショップやダンボール迷路づくりなども行い、2023年11月5日(たなフェス2日後)に京田辺市中央体育館で開催。

第2回は、事情があって本格的に動き出せたのが8月になってからだったので、3ヶ月足らずで内容を決めて準備・実施までを走り抜けました。

市の主催(文化協会は協力)ということで制限もあり、時間もなくてかなり大変な部分もありましたが、個人的にはチラシも作らせてもらい、それを小学校で個別配布したおかげで多くの方にお越しいただけたので、非常にやりがいも感じたイベントでした。

再度、実行委員として活動スタート

その後、次の開催はいつになるんだろうと思っていたところ、2025年3月オープン予定の新しい公園「京田辺クロスパーク(タナクロ)」にて、オープン直後に開催する旨の連絡が来ました。

しかも、これまで市の主催だったところから、京田辺市文化協会の主催となるとのこと。

まぁそれは私にとってはどちらでもいいような問題だったのですが、とにかく1,000人規模のイベントのスタッフに再びなれること、オープンしたての公園でイベントができること、その2つにワクワクしながら第3回の実行委員が始まりました。

クラファンする?

前述の通り、主催が市から文化協会に移り、一番大きく変わったことの一つは予算の部分でした。

市の主催の場合は、市から予算が下り、それを元にイベントを作っていましたが、市の管轄を外れたため、予算が出ません。

ただ、市のイベントでは無くなった分、資金集めは自由にできることになりました。

まず最初に出たのは、協賛を集めるという話。地域の企業にお金を出してもらえるよう、お願いして回るということです。

それも必要だろうなぁと思いながら、企業を回って頭を下げる、というのがあまりワクワクせず、他に何かないかなぁと考えたのがクラウドファンディングでした。

なんでもやってみよう、ということで、協賛と並行して個人の方からはクラファンで支援を集めることを決定。まずは言い出しっぺの私ともう1人の実行委員で、準備を進めていくことにしました。

ぶんフェスをやる意義

クラウドファンディングを始める手順としては、

  1. クラファンをやるプラットフォームを決める
  2. リターンの内容を決める
  3. ページを作成する
  4. 事前に告知する
  5. クラファンスタート

といった感じです。

プラットフォームは、有名なところでCAMPFIREREADYFORMAKUAKEなどがあり、それぞれ特徴がありますが、今回はプロジェクトオーナーが非営利法人であり、社会課題の解決のための内容なら手数料は0円という「CAMPFIRE for Social Good」を利用することにしました。

そうして、リターンの内容はさておき、まずはページを作っていこうとCAMPFIREの画面を開いたところで、すぐに私たちの手は止まってしまいました。

クラファンは、その事業を応援したい!と思ってもらえて初めて支援につながる訳ですが、そのためには事業をやる意義や目的が明確であることが大前提です。

なんだかよく分からないイベントに支援してもらえるわけがありません。

なぜ、この「ぶんフェス」というイベントを、文化協会がやるのか…。

その意義や目的を考えたとき、「前回同様のイベントではダメだ!」と気づきました。

前回は、「親子連れが楽しめるものにしたい」という文化協会理事長の意向を受けて、とにかくそこに向けたイベントづくりをしましたが、それは他の子育て支援団体でもできること。

「文化協会」ならではのイベントにしないと、ぶんフェスをやる意義がないのでは?と思ったのです。

文化協会は、さまざまな文化サークルが所属する協会で、文化活動の保護や継承もその大切な役割の一つ。

そういった要素もぶんフェスに入れて、若い子育て世代が文化に触れる機会を提供する。

前回から「体験型」を謳ったイベントではありましたが、「文化体験」ができるイベントにすることで、他にはない【ぶんフェスらしさ】が出ると考え、そのことを文章にして実行委員のグループLINEに流しました。

実行委員長を拝命

すると、それからしばらくして、文化協会から連絡があり、「実行委員長をやってほしい」と言われました。

ぶんフェスをどんなイベントにしたいか一生懸命に考えて、文章にまとめて伝えたことが評価されたのかもしれません。(他の人は忙しい、というのもあったかもしれませんが…笑)

私と、文化協会の事務局でスタッフとして働いている友人と、2人での共同委員長。

実行委員も前回から一緒にやっているメンバーばかりだし、バックには文化協会があって私が全ての責任を負うわけでもないし、断る理由もなく、ありがたく実行委員長を拝命しました。

新しい場所でやる苦労

さて、今回のぶんフェスは、前述した通り、新しくオープンする公園での開催が決まっていました。

開催の約半年前には実行委員会が動き出し、今回は時間的に余裕がある!と思っていたのも束の間、まだまだ工事中の公園を見学に行けたのは12月のこと。

実際の場所を見て、少しイメージを掴むことができたのは、結局3ヶ月前でした。

見学する前から話し合ってきた企画内容を、公園のどの場所でやるのか、限られた屋内スペースをどう使うのか、当てはめるのが難しかったり。

何が良くて何がダメなのか、使用時にはどんな備品が用意されていて、何をこちらで準備しなくちゃいけないのか、管理する会社の方もまだ分かってなくて、何か聞くたびに上司の方への確認が必要だったり。

ぶんフェス開催日である23日の1週間前、3月15日(土)がタナクロの開園日で、その日はオープニングセレモニー等色々な行事が行われることになっていたのですが、1週間後のぶんフェスに関係しそうな企画の詳細が、その時点でまだ決まっていなかったり。

新しい場所でオープン直後にイベントを開催するのは、注目を浴びやすいというメリットがある反面、準備が大変だということを非常に実感しました。

意外な手応え

そんな中、嬉しいこともありました。

「ぶんフェスらしさ」を追求した結果、文化協会所属の文化サークルさんに協力してもらおう、ということになったので、サークルの代表者が集まる会議で時間をいただき、ぶんフェスの紹介プレゼンと協力の要請を行いました。

イベントとしては「体験型」を謳っており、サークルさんにも従来の「発表会」のようなものではなく、できるだけ来場者に「体験」を行なってもらえるものを、「私たち実行委員と一緒に考えましょう!」と訴えたのですが、事前の予想に反して、とても反応が良かったのです。

プレゼン後に色々と質問もいただき、結果的には6つのサークルさんが当日、出展してくださることになりました。

実際に当日行われたのは、三味線の体験や社交ダンス体験など。

詩吟は、実際に吟じてもらうのは断念したのですが、吟じているところを目の前で見られるという、若い世代にとっては他ではなかなかできない体験をしてもらうことができました。

これらの体験ブースは、他のイベントにはない、とても「ぶんフェスらしい」企画になったと自信を持っていますし、サークルさんにとっても新しい体験で、今後のサークル活動に活かしていただければと思います。

地元企業のご協力

さて、クラファンと並行して行うことになっていた企業協賛の募集は、一つ一つの企業へ赴くのはマンパワー的に難しいこともあり、商工会の勧めもあって、毎月商工会から会員企業へと発送される送付物の中にその依頼文書を同封していただく、という形を取ることになりました。

私も商工会員なので、毎月いろいろな印刷物が送られてくるのは知っていますし、毎回一応目は通していますが、こんな風に依頼文書が入っているだけで協賛してくださる企業はあるんだろうか…なんて思っていたところ、なんと次々とお申し込みが!

中には、お店をしている知り合いの方から「にしがきさんの名前があったから…」とおっしゃっていただいたりして、ありがたい限りです。

また、芝生の広場でしっぽ取りの企画を行うにあたって、端切れを地域の方に配布したりしている企業がある、という情報が実行委員メンバーから入り、お電話でアポを取って訪問したところ、想像以上に大量の端切れ(しかも細長くて理想的な形!)をすでにご用意いただいており、ありがたく頂戴したという物品協賛もありました。

地元企業さんの力無くしては、今回のぶんフェスはできなかった!というくらい。

本当にありがとうございました。

クラファンで受け取った気持ち

では、クラファンはどうだったか?と言うと…

こちらは、目標金額には届きませんでしたが、それでも充分すぎるくらいの支援をいただきました!

特に、私をはじめ実行委員メンバーの知人・友人からの支援がたくさん。

私が数年かけて築いてきた京田辺での人脈は、ただただいろんな方と知り合えて楽しい!というだけで繋がってきたものでしたが、こんな風に温かいサポートとして返ってくるんだ、と思うと本当に嬉しくて。

さらに、ワードプレスの構築をサポートしていた東京のクライアントさんからも支援をいただけたのが、また嬉しい出来事の一つでした。

リターンは、ぶんフェスグッズだったり、京田辺で行われる文化講座のチケットだったり、と京田辺に無関係な方にはあまり喜んでもらえそうにない(笑)内容だったのですが、それでも支援したいから、とお礼メールのリターンに金額を上乗せまでして支援していただけたのです。

「人とのつながり」の大切さ、ありがたさを改めて実感したのが、このクラウドファンディングでした。

あっという間の6ヶ月

そんなこんなで、あっという間に3月。

準備期間が6ヶ月もある、と思っていたものの、結局は12月にタナクロの見学へ行ってからの3ヶ月で走り抜けたようなものでした。

イベントのコンセプト設定、企画の立案&準備、各企画の協力者への依頼&打ち合わせ、チラシの作成&配布、クラファンの準備(ページ作成・告知・リターンの検討&準備)、必要備品の準備、当日のボランティアスタッフの募集、当日プログラムや企画に必要な印刷物の準備、タイムスケジュールの調整&確認、などなど。。。

特に私は、2月のチラシ作りと、当日プログラム・ステッカー・Tシャツ・ミニタオル・のぼりといったクリエイティブの制作がぎゅっと詰まった3月前半が目の回るような忙しさでした。

が、実際にそうやって動いていく中でイベントの形が出来上がっていくところ、それを作り上げているという実感、そこが一番好きなところだなーと、以前「イベント運営のどこが一番好きなの?」と聞かれて言語化したことが、やっぱり間違ってなかった、ということを感じながらの3月でした。

いざ、本番

本番1週間前の、タナクロのオープニングセレモニーには、子どもがテープカットのお手伝いで参加させていただきました。

その日はとても寒い日で、午後からは雨も降り、あまり公園を楽しめる天候ではなかったのですが、ぶんフェス開催当日は好天に恵まれ、気温も上がって少し暑いくらい。屋外イベント日和となりました。

タナクロのオープニング後、平日でも駐車場が混むくらいに賑わっていると聞き、慌てて1人予定だった警備員さんを2人に増やしたり、臨時の駐車場の手配をしたり、SNSやホームページでその案内をしたり、その辺りも新しい会場ならではのバタバタがありましたが、当日もやはり、朝の9時に現地集合した際には、すでに多くの人出がある状態。

イベント開始となる11時には、もう駐車場もほぼいっぱいの状態で、それでもかなり多くの方が遊びにきてくださりました。

公園というオープンスペースの性質上、正確な来場者数を測ることは難しく、各ブースの参加者のべ人数にはなりますが、約2,000人の方にご参加いただくことができました。

特に大きな事故や問題もなく、無事にイベントを終了できたのが何より。

たくさんの家族連れの方に、「ぶんフェス」を楽しんでいただけたかと思っています。

ぶんフェスを終えて

これまでも、個人でイベントを主催したり、市のイベントの実行委員をしたり、ということは昔からやってきましたが、「イベントの意義」についてここまでじっくりと考えたのは初めてのことだったかもしれません。

でも、そこをしっかりと考え、言語化することで、関わる人にも「どういうイベントなのか」が伝わりやすくなるし、内容を考えるときにも他との差別化がしやすくなります。

それは、必ずしも「集客」に簡単に結びつくものばかりではないかもしれませんが、「集客」を重視するあまり、イベントの意義とその内容がかけ離れたものになってしまっては、来場者に伝えたいものが伝わらなくなるし、イベントをやる意味がなくなってしまいます。

なぜそのイベントをやるのか、来場者に何を伝えたいのか。

イベントを開催する際は、どうしても「集客」という部分に目が行きがちですが、本来の目的を見失わないことで、そのイベント「らしさ」を継続していくことができ、集客にも繋がっていくはずです。

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